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努力の前に、まずは「知る」ことが大事。なぜなら、努力を継続させるためには相応の動機が必要だから。 [モチベーション]



25歳で結婚し、
28歳で家を買い、
30歳で父親になる。

漠然とだけれども、高校生のときの僕は、なんとなく自分の未来はこうなるんだろうなと思っていた。

結婚、マイホーム、出産。
いずれも人生の3大イベントといってもいいような事柄なんだけれども、これら3つは、たぶん30歳になるまでは、すべて経験済みになると思っていた。何の根拠もなく。

もっとも、漠然と、なんとなく未来を思い描いていたにすぎないので、
「結婚まであと○○年○ヶ月!」
などと真剣にカウントダウンをしていたわけではない。

しかし面白いことに、そんな僕は、

27歳で結婚し、
29歳で家を買い、
30歳で父親になった。

多少の年齢の誤差はあるし、
また、買ったのは一軒家ではなく、正確には新築の分譲マンションの部屋なのだが、
結果的には、おおむね「何となく」思い描いていたとおりの人生を歩んでしまったことになる。

あたかも、若い頃の妄想&夢想が敷いたレールにしたがって歩んできたのではないかと今となっては感じる。

先ほど、漠然とした妄想で、それほど真剣に思い描いていたわけではないと書いたけれども、よくよく考えてみると、たとえそれが妄想だとしても、自分の未来を思い描いていた時点で、もしかしたら心、あるいは脳の中のどこかにあるスイッチがはいっていたのかもしれない。

きっと「家」というキーワードが頭や心の中に入力されていなければ、不動産屋の前の掲示物や新聞の折り込みチラシは目にとまらなかっただろう。
「結婚」について関心がなければ、書店ではリクルートが出している結婚情報誌も立ち読みすることもなかっただろう。

▼創刊当時は「XY」表記だった結婚情報誌『ゼクシィ』
ゼクシィ 首都圏版 2011年 03月号 [雑誌] [雑誌] / リクルート (刊)


また、僕は高校時代から読書記録をノートにつけていたのだが、今それを見返すと、大学から20代後半まにかけて教育・育児関係の書籍を100冊以上読破している。
もちろん、1万冊以上の読書歴の中からみれば1/100程度の量に過ぎないのだが、まったく関心のない対象に100冊分の読書時間は費やさないだろう。

「結婚して家を買ったら、次はパパになっているんだろうな」と思ったからこそ、無意識に教育・育児関係の本を買い、読んだのだろう。

べつに潜在意識の話とか、ロンダ・バーンだったっけな?その人が書いて数年前にベストセラーになった「引き寄せの法則」の話をしたいわけではない。

潜在意識の力新訂版
潜在意識の力新訂版


ザ・シークレット [単行本] / ロンダ・バーン (著); 山川 紘矢, 山川 亜希子, 佐野 美代子 (翻訳); 角川書店 (刊)
ザ・シークレット [単行本] / ロンダ・バーン (著); 山川 紘矢, 山川 亜希子, 佐野...

このような、何冊もの本にもなるようなスゴい法則の話をしたいのではなく、もっと身近でショボい話で申し訳ないんだけれども、要するに、こんな僕でも、高校生のときに、それこそ「何となく」考えていた程度のことでも、気がつくと現実になってしまっていることを強調しておきたい。

よく、上記のタグイの本には「真剣に思い描きなさい」「あたかも夢が現実になったかのようにふるまいなさい」などと書かれている。

しかし、僕の場合は真剣に願ったことなど一度もないし、
なにがなんでも30歳前までには結婚する!と力んだ記憶もない。

そんなイイカゲンな姿勢でも、おおむね思ったことが現実化している。
このことからも、まず大事なことは、何はさておき「思うこと」「考えること」なのだということだ。

そして、確実にいえることは、「思わない」「考えない」ところからは何も始まらないということ。

東大に入る。
早慶に入る。
MARCHのどこかに入る。

上記大学じゃなくても、もちろんOK。
誰しも行きたい大学の一つや二つぐらいはあるでしょう?

もしなければ、早めに決めてしまいましょう。

思った後に、
「今の自分の実力じゃムリだよ」などと自分に言い聞かせる必要はありません。

べつに人に話すわけじゃないんだから、自分に遠慮したり、自分に照れてみる必要はサラサラない。

それこそ高校時代の僕じゃないけれども、

大学は○○大学に行き、
卒業後は△△△の仕事をし、
30歳ぐらいには□□□をしているんだろうな

程度の漠然さでも最初はいいんじゃないかな。

まずは、そこからスタートしないか?
もし、君が目標を見出せずに、漫然とした日々を過ごしているのならば。

具体的な固有名詞や、数値化された期限を考えるだけで、表の意識では忘れたつもりでも、脳の中の情報集積回路はきちんと作動しているのだということは、僕自身の経験を例に先述したとおり。

本屋さんでは志望校の過去問が目にとまり無意識に手が伸びるようになるかもしれないし、学校などで配られるオープンキャンパスのスケジュール表を見た瞬間、お目当ての学校の名前が真っ先に目に飛び込んでくるようになるかもしれない。

気になる対象への接触回数が増えれば増えるほど、当然のことながら情報が集まる。
情報が集まれば、漠然と「手にはいったらいいな」という思いが「なんとしてでも手に入れたい」に変わってくる。
そうなると、後は努力するだけ、だよね?

僕はことあるごとに自分の生徒に「将来何になりたい?」と聞くのはそういうことなんだ。
栄冠を手にするためには、努力はもちろん大事だし、不可欠な要素だ。
しかし、努力を継続させ、努力をするに値することなのだと自分を納得させる強い動機付けとなるものは、まずは「情報」を得ること。
つまり「識(し)る」ことなんだよね。

アフリカ、ケニヤの草原で原始的な生活を今でも続けているキユク族の子供たちは、おそらくは任天堂のDSやWiiのことは知らないだろう。

ニンテンドーDSi ライムグリーン / 任天堂
ニンテンドーDSi ライムグリーン / 任天堂

だから、欲しいと思うはずもない。

しかし、物好きな日本人が現地に赴き、これらゲーム機器のデモンストレーションを行えば、おそらく多くの子供達は欲しがるに違いない。
それはゲーム機のことを「知った」からだ。
ゲーム機の「情報」を得たからこそ、子供達はゲーム機が欲しくなるわけだし、その次に考えることは、どうしたら手に入れるかだろう。

そして、手に入れる方法がわかれば、それに向けて必死に努力をするに違いない。

もし君が、親から「東大にはいりなさい」とか、「せめて明治や中央などのMARCHぐらいには入ってくれないと……」などと言われていながらも、いまひとつ乗り気になれなかったとしたら、たぶんこれら大学について、ほとんど知らないからだろう。
大学名と、「偏差値の高い大学」ぐらいのイメージしかないんじゃないかな?

だとすると情報は皆無に等しいよね。
情報がなければ、欲しいも欲しくないもないからね。
欲しい以前の問題。
だから、努力に値する対象とはどうしても見做せないわけだ。

そういう場合はどうするのかというと、嘘でもいいから、後で変わってもいっこうに構わないから、まずは入りたい大学をいくつか仮に決めてしまう。

で、一度、その大学を尋ねてみる。
できればオープンキャンパスに行くと、さらに良い。

地方に住んでいて東京の大学にはとても足を運べないという場合は、大学のガイドを取り寄せて眺めてみたり、赤本の巻頭に記載されている大学情報を読んでみると良い。

とにかく識ること、情報を集めること。

不思議なことに人間って、知れば知るほど欲しくなるし、逆に、知れば知るほど欲しくない理由も明確になってくるものなのだ。

たとえば、車でも家電製品でも、購入前に資料を集めれば集めるほど、手に入れたいという欲求がつのるという調査結果もあるし、さらに「知る」ことに対して「行動」を起こすと、さらに手に入れたい欲求が増すのが人間というものなのだ。

だから。
まずはとにもかくにも実際に大学を訪れ、実際に大学空気に触れ、感じることが、もっとも有効な情報収集方法になるし、合格を手に入れたいという欲求を高めるのには有効な手段なのだ。

僕の生徒にも1年前から「慶應に行け、行け」と言い続けている生徒がいる。
彼は最初は「冗談でしょう」と鼻で笑っていたが、ある日、冗談半分でオープンキャンパスでもない時期に日吉の校舎に行ったら、慶應の学生たちに親切にしてもらい、学食で食事をおごってもらいながら、自分たちはどのような勉強法をしていたかなどの話をたっぷりレクチャーされて帰ってきた。
彼は目を輝かせながら「先生、オレ、慶應行きたくなりました!」

それからの彼の勉強ぶりは一変して、いまではそれこそ問題集や参考書に挑みかかるように勉強している。
さらに先日、今度は一人でふらりと三田の校舎に行ってきたようで、感想を聞いたら「ヤバいです、マジで本当に行きたくなっちゃいました」だった。

知れば知るほど欲しくなる、というのはそういうことなんだろうね。

もし、「いまひとつ自分の子供のやる気が感じられない」「将来に対する欲が感じられない」「行きたい大学がはっきりしなくて困っている」とお嘆きの保護者の方がいらっしゃれば、この方法は、子供のやる気を引き出すためには有効だといえる。

つまり、オープンキャンパスに連れていっちゃえばいいのだ。
特に男の子は恥ずかしがる可能性が高いから、できれば友達同士で行かせるのがいちばんいいのだが、もし本人が嫌がるようであれば、それこそ首に縄をつけ、引っ張ってでも無理やり大学に連れて行っちゃいましょう(笑)。

昨年の夏のこと。僕の生徒の中に「オープンキャンパスに行き、レポートを提出すること」という宿題を出された子がいたので、これを口実に、自分の生徒たちの中から数人を選び、彼らでグループを作らせ、オープンキャンパスめぐりをさせたことがある。

すると、面白いことに、オープンキャンパスに行った生徒たちの受験に対する意識がまったく変わってきたのだ。もちろん、訪問した大学に行きたくなった生徒ばかりではないが、少なくとも大学とはどういうところかという、今までは漠然としか描いていなかったイメージがより具体的になったようで、この後も気軽にオープンキャンパスではない日にも大学に足を運んで見学をしたりしている。

そして、見学をすれば、大学をより一層知ることになるわけだから、知れば知るほど入学したくなるというわけだ。

なかには、郊外の大学に見学しに行ったら、「毛虫が多いので行きたくなくなりました」という女の子もいたりするので、大学見学することが、即、モチベーションアップにつながるというわけでもないのだが、それはそれで貴重な体験。入学後に「毛虫がイヤでやめたくなる」というリスクを受験前に避けられるわけだし、志望校の選択肢が狭まり、より大学選びをフォーカス出来るようになったことは喜ぶべきことなのだ。

そう考えると、高校の時の自分は、行きたい大学も漠然とでも思い描いておけばよかったよな、と今となっては思う。
結婚やマイホームは実現したけれども、大学はどこでもいいやと思っていたので、第一志望を外してしまったから……(涙)。

だからこそ、今、近い未来に大学を受験する予定の人たちには言っておきたい。
名前だけでもいいから、まずは具体的に行きたい大学を思い描こう、
そして、出来るだけ情報を集めよう、と。
パスワード担任:ヒラモト



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